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コンフォータブル パフォーマンス メソッドのレッスンでは

今一番弾きたい曲を弾いてレッスンする

コンフォータブル パフォーマンス メソッド(CPメソッド)のレッスンでは、テクニックを改善するために、曲の難易度を下げるということは一切しません。

「今弾きたい曲の問題」を解決してきます。
テクニックだけを取り出して何か改善をはかるのではなく、今弾いている曲の中の問題を解決することをきっかけにして、演奏における根本的な身体の問題を改善していくのが、CPメソッドのやり方です。

身体の使い方を変化させていくためには、鋭い観察力が必要になります。
「弾けるようになりたい!」という強い気持ちは、鋭い観察力を生みます。
だから、「今一番弾きたい曲」を弾いていくのです。

演奏者の望みを叶えるサポートをする

CPメソッドは、自分の身体を対話しながら「自分の望む演奏を実現するための方法」を学んで行くメソッドです。

ですから、レッスンでは「指導者がよいと思う目的地」に生徒を導くことはしません。
指導者は、演奏者の抱えるストレスをとりのぞく方法をひたすら提供しながら「演奏者が行きたいと思う目的地」に辿り着くためのサポートを行うのです。

なぜこのようなスタイルをとるのか。

CPメソッドのレッスンでは様々な問題を解決するために、身体の使い方に対して変化を促していきますが、身体を変化させるためには、自分の中のはっきりとした目的意識が必要だからです。「変化したい」と思う動機が必要なのです。

その目的意識が生まれるためには、演奏者自身が自分のストレスに敏感になり、同時に「自分の実現したい姿」を、はっきりと認識できるようになることが欠かせません。

自分の望み(ゴール)をはっきりと自覚し、「変わりたい」と思った時に心身についてのたくさんの気付きが起こり、その気づきが、身体を変化させ、演奏を変化させていきます。

変化は、「先生の指定した曲を、言われた通りに弾く」のでは起こりませんが、「こんな曲を、こんな風に弾きたい」と夢見たときには簡単に起きるのです。

だから、レッスンでは問い続けます。

どんな曲が弾いてみたいですか?
あなたの理想の演奏はどんなものですか?
どんなことができたら嬉しいと思いますか?

出来そうも無いと思えるほど難しそうなことでもいいのです。
そして、またどんな些細なことでもいいのです。

それを思い描くことができれば、あなたの演奏は、必ず大きく変わります。

コンフォータブル パフォーマンス メソッドで学ぶと

自分の可能性が見えてくる

コンフォータブル パフォーマンス メソッド(CPメソッド)のレッスンでは、常に「自分の演奏をどうしたいか」ということを問われ続けます。

自分がどんな音楽を望むのかを常に考え、それを叶えるためにレッスンを続け、結果がではじめると、多くの人は、自分が目標地点を実力よりずっと下に設定していたことに気づきます。

なぜこんなことになるのでしょうか。

それは『うまくいかない状態』をあまりに長い期間続けていると、『上手くいかない状態こそが自分の実力』と認識するようになり、自分への評価が下がってしまうからです。

レッスンで見かける『うまくいかない』状態は、たいてい才能とは関係ありません。
やり方が間違っていたり、何かを誤解していることで起こります。

それにはっきり気がついたとき、『もっと弾けるようになるかもしれない』という希望が心にわいてきます。

「できないこと」を才能のせいにするのはやめましょう。
道具(身体)の使い方が我流だったら、うまくいかないのは当たり前ではありませんか?
まずは道具(身体)を設計通りに使えるようにして、機能を十分果たせるようにしていきましょう。
その先には必ず、思ってもみなかったような「自分の可能性」が見えてきます。

前提が変わる

レッスンに初めて訪れる多くの人が、何かがうまくいかない時、「自分は下手だから弾けない」「自分はこれが苦手で弾けない」という考え方をしています。

これは、自分で『弾けない理由づけ』をして『弾けない』ことに甘んじている状態だと私は考えています。

CPメソッドのレッスンを重ねて「弾けないのには、いつも理由がある。」とわかってくると、何かがうまくいかない時、『自分の身体の使い方のどこがおかしいのだろう』と考えるようになります。

『弾けない』ことを前提にその理由をさがすのではなく、『弾けるはず』ということを前提に、それを実現する方法を探すようになるのです。

「レッスンしていない曲」まで上達する

CPメソッドのレッスンでは、希望した曲が理想通りに弾けるように、ご本人から申告のあった悩みを一緒に解決してきます。

その解決の仕方は、「そのパッセージをどのように弾けばよいのか」提示するものではありません。

レッスンでは、演奏する姿を拝見させて頂き、全身のうちのどこに「無意識の力み」があり、どのようなつながりで姿勢が崩れて問題が生まれているのかを見極めていきます。

その後、「無意識の力み」の解放を行うことで姿勢を改善し、そこから動作の改善へと導き、最終的には、その動作が音楽的表現に直接繋がるようにガイドしていきます。

レッスンでは、特定の曲の特定の場所にアプローチするだけですが、それによって姿勢と身体の使い方自体が改善されるので、レッスンしていない曲にも「今まで弾けなかったフレーズが楽に弾けるようになったり」、「音がよくなったり」という変化が起きていきます。

「その曲」を変化させるのではなく、「その人」の演奏の在り方自体を変化させるのが、コンフォータブル パフォーマンス メソッドです。

疲労、故障(怪我)、痛みが再発しなくなる

ピアニストの痛みや怪我は、一時的に治ったように見えても、また同じ場所に痛みが再発したり、または場所を変えて痛みや強い疲労が出たりすることが多く、完全に治すことが難しいと言われています。

様々な症状は、注射を打ったり、鍼を打ったり、マッサージに行ったりすると多少は軽減するものの、やはり難しい曲を弾いたり、長時間練習すると痛みがでてしまうことも多く、結局「弾かないでしばらくの期間休む」以外、対処する方法がないと思っている方も多いようです。

確かに身体のケアは必要ですし、休むことも必要ですが、それでは根本的な 解決にはなりません。
なぜならば、それは「身体の使い癖」によって生まれた 問題なので、休んでもケアしても、今までと同じ身体の使い方をすれば やはりまた同じ症状が出てしまうからです。

根本的な解決をするためには、怪我や痛みが起こる仕組みについて知る必要があります。

骨格は全身が歯車のように連動して動くように設計されています。
それなのに、身体のトラブルを訴える多くのピアニストは、指だけ、腕だけ、、 と部分の動きだけをコントロールすることに熱中してしまい、身体の他の部分を 「腕を支える場所」であるかのように「止まっている存在」として扱うことで、 本来の身体の設計とは全く違った、「一部は動かし、他は動かさない」という 状況を作り出しています。

「一部を動かし、他を動かさない」ということは、歯車の1つを止めて機能させないようにしながら、他の歯車を無理矢理動かすのと同じことです。
このような使い方をしていたら、歯車がすり減ったり、壊れたりしてしまうことは 簡単に想像できると思います。

この「一部を動かし、他を動かさない」と言うときの「他」とは、腕から とても遠い、手の動きと全く関係なさそうな場所も含まれ、そして 「動かさない」とは、“関節にまるで動く機能がないかのように”筋肉を かためて緊張させている状態を指します。
このことについて、手からとても遠い位置にある「足首」を例にとって、 具体的に考えていきたいと思います。

足首は、本来、脚全体と連動してしなやかに動くように設計されており、 その動きはもちろん足の指へもつながっていますし、骨盤へも繋がっています。
身体の関節の動きの連動は、とても秩序だったものであり、感覚さえ養われれば、 骨が順々に繋がって、その動きが全身に繋がっていくのを感じることができます。

全身がまとまって動く感じとでもいいましょうか。
骨格がきちんと連動して、全身がまとまって動く時、身体中の全ての部分が、 指の動きを応援してくれます。
体中の歯車が快調に動いている状態です。

たとえば、足首がしなやかに動き、さらに股関節も、いつでも動けるだけの ゆるみ」を持っている状態なら、足の裏は床をきちんと捉えることができ 脚はしっかりと身体を支える機能を果たしてくれます。
身体が脚からしっかり支えられることで、骨盤の角度は改善され、 背骨の位置も調整され、それに伴い、頭もバランスよくのることができ、 結果、姿勢が大きく改善されます。
姿勢が改善されることで、全身は設計通りの動きができるようになるので 自ずと指も動きやすくなっていきます。

しかしそれと反対に、「指と全身のつながりに配慮することなく、 足首を固定して、そこを支えにしてペダルを踏みながら演奏する」ことを 選択した場合、これと真逆のことがおきます。
体中の全ての部分が指の動きを邪魔するのです。
どこか1つの歯車を止めて機能しないようにしてしまった状態です。

「足首」という歯車を止めてしまった結果、「股関節」という歯車も動かなくなり それによって、連動している「肩甲骨」や「鎖骨」という歯車も動かなくなります。

実際に足首に力を入れてみましょう。
股関節が緊張したのがわかりますか?
次に股関節に力を入れてみましょう。
肩甲骨が動かなくなるのがわかりますか?
さらに、肩甲骨や鎖骨周辺に力を入れてみてください。
腕が動かなくなるのがわかると思います。

そんな緊張状態の中で、腕を力尽くで動かしながら無理矢理演奏したら、 疲労や痛みが起きるのが当たり前だということが理解できることでしょう。

このように、腕から遠いところであっても、どこかの歯車が止まってしまうことは演奏の大きな妨げになり、また疲労や痛みや怪我につながります。

実際は、かためて緊張させている場所は複数あり、もはや、どこが 原因でどこが結果なのかさえわからない程、状況は複雑です。
しかし、問題は症状の出た箇所で起きているのではなく、全身の連動の中で 起きているということ、問題の解決には、全身の動きに目をむけることが 必要だということだけは確かです。

ここで1つ疑問が湧くかもしれません。
「そんなにあちこち緊張させていたら、自分で気づくのではないだろうか」と。
「姿勢も脱力も気をつけてきた」という自負のある人ならば、この話は 自分には該当しないと思うかもしれません。

しかし、もしも身体に問題が起きているならば、「気づかずに」「無意識で」 さきほどご説明したことを必ずやっているのです。

人は、慣れ親しんだ姿勢を「普通」と認識してしまうので、 自分の姿勢や身体の使い方を正確に認識するのがとても難しいのです。
いつも肩が上がっている人は、自分の肩が上がっているのが普通なので それに気づきません。
身体が傾いていることが普通の人は、それが「まっすぐ」だと認識し 本来のまっすぐな姿勢を「傾いている」と認識します。
全身にあまりにたくさんの「無意識の力み」があるときは、身体の感覚さえ なくなっていき、「痛い」と認識することすらできなくなっていきます。

指を怪我をする人の多くは、本人は「力をぬいて、やさしく弾いている」 つもりでも、実際は、指を鍵盤に叩き付けたり、強く刺していたりします。
指が壊れるほどの衝撃を与えていても気づかないということも 実際に起こりうるのです。
それほどに、「自分の中で感じていること」は、あてになりません。

あなたが正面だと信じている向きが本当に正面かどうかは、わかりません。
よかれと思って修正した姿勢が、本当にまっすぐかどうかは わかりません。
脱力できていると思っている腕には、本当はものすごい力が入っているかもしれないのです。

このように、「自分自身の状態を把握できていないことに気づかぬまま症状を軽減しようとあれこれ動きを工夫してしまうこと」が、この問題の 解決を困難にしている最大の理由だと私は思っています。
その上、もし「身体がどのように動くことが、設計上無理がないのか」 を知らなかったとしたら、身体の問題を解決させることなど できるはずがありません。
それは、北と南を反対に認識したままで、不正確な地図を見ながら ゴールを求めてさまようのと同じことです。
そうやって、私は15年以上も道に迷いながらグルグル歩き回ってきましたが。

このような一筋縄ではいかない複雑な身体の問題に対処するために、 コンフォータブル パフォーマンス メソッド(CPメソッド)では、以下の3つの柱を 同時進行で行っていきます。

【CPメソッドの3つの柱】
1.身体の設計を知る
身体を動かすエクササイズを通して、骨格が「本来どう連動して動くのか」 ということを理論と感覚の両側面から学ぶ。

2.「無意識の緊張」に気づける感覚を養う
本来骨格が連動して動くべきところを、自分がどのように筋肉を緊張させて 邪魔をしているのか感じる(「無意識の力み」を意識化する)ことを繰り返しながら、動作の中で起きる緊張に「自分で気づける力」を養う。

3.「身体の状況」に気づける力を養い、その改善の方法を学ぶ
前後、左右、上下などの感覚、中心の感覚などを養い、自分の姿勢の歪みに気づく力を養う。
「力みの癖」によって、どうやって姿勢や動作が歪んでいくのかを自覚し、その原因の「力み」を解放しながら、姿勢や動作の歪みを自分で改善する方法を学ぶ。

1のプロセスで『目的地』を知り、
2のプロセスで『現在地』を知り
3のプロセスで『そこへ辿り着く方法』を知るのです。

これらのプロセスを、日常の基本動作と並行して、実際のピアノ演奏でも 行っていきます。

修練を積んだピアニストの身体の使い方の癖は強力なものです。
基本動作が改善されても、ピアノの椅子に座った途端、楽譜を見た途端、 身体が反応して、昔ながらの癖が強力に出てしまうことも多々あります。
日常動作が改善しても、ピアノの演奏が変わらないというのはよくある話です。

実際に「改善した基本動作」が、どのパッセージにどう結びついているのかを 具体的に知り、「自分の弾き方の”何が”問題を引き起こしていたのか」という ことを、はっきりと自覚することは、演奏時の身体の問題を本質的に 解決するために、必要不可欠です。
そして、自分が「痛みや怪我を生む身体の使い方」をしてしまった時、 それにいち早く反応し、それを改善させることができるようになってはじめて 痛みや怪我を再発させることがなくなっていくのです。

人前の演奏を楽しめるようになる

人前の演奏が怖いという問題を抱えてレッスンにいらっしゃる方は多数いらっしゃいます。
人前の演奏が怖い理由は何でしょう?

もし間違ったらどうしよう。
間違った後、滅茶苦茶な演奏になって立て直せなかったらどうしよう。
手が震えたらどうしよう。
頭が白くなったらどうしよう。
手が思うように動かなかったらどうしよう。

色々なことが挙げられると思います。
もしかしたら、過去の苦い経験が恐怖を呼んでいることもあるかもしれません。

では、これは気合いで乗り切れるものでしょうか?
回数を重ねたら慣れていくものでしょうか?

「はじめは緊張したけれど、弾いている間に調子がでてくる」という感じなら、気合いや慣れで問題を解決していくこともできると思います。

しかし、そうではなく、舞台で、毎回首を傾げるような混乱を経験しているのなら、それは気合いや慣れで解決できるようなものではないと私は考えます。

それは、本番という状況に対しての「パターン化された反応」として毎回混乱が起きているからです。「本番」という状況がスイッチとなって「混乱」状態を作り出しているのです。

本番で「混乱」が起きる原因はなんでしょうか。

それはやはり本人が無自覚な「無意識の力み」です。

練習時に、筋肉を緊張させて練習している人の多くが、本番での「混乱」の症状を訴えます。

人は心が緊張すると、筋肉も緊張状態になるのは、誰もが経験しているところですが、普段から「筋肉を緊張させて」練習している人は本番になると「普段の筋肉の緊張」に「本番による精神からの筋肉の緊張」が加わり、身体ががんじがらめの状態になってしまいます。

骨格は、どこかの骨が動いたら、次の骨も動いてと、、歯車のように連動しながら順々に全身繋がって動くように設計されています。

しかし、どこかに過剰な緊張が加わることで、いくつかの関節が完全にロックされてしまったらどうなるでしょう。身体が動かなくなることは簡単に想像がつきます。こうやって、がんじがらめの状態は作られます。

しかし、関節がロックされることは「身体を動きにくくする」だけではないのです。

全身は「連動」して「連携」して動いているので、どこかが動かなくなってそのコンビネーションがこわれると、それは全身に波及します。
普段なら身体の中に内在する自然なコンビネーションで何も考えないで「普通にできる」ことができなくなるのです。
お芝居などで、「緊張して手足のコンビネーションがおかしくなる」ような場面がよくありますが、その状態になるのです。

さらに、骨格が動かないのを力づくで動かした時、当然のことながら関節は設計通りの向きにうごかすことができません。

人の脳は、関節がどう動いているかで、自分の身体がどう動いているのか認識しているので、関節の動きが滅茶苦茶になれば、何をどうしているのか正確に認識できなくなります。

もともと、緊張で呼吸が浅くなり、心穏やかでないとこころにこの状況が重なって、演奏に集中していられる人がいるでしょうか。
たいていの場合、パニックになるはずです。

これが、本番で起きている「混乱」の正体です。

もしかしたら、「私は演奏時に力などいれていない」と思う人もいるかもしれません。
ここで言う「無意識の力み」は「手」の話ではありません。
緊張しているのは、足の指かもしれないし、足首かもしれません。脚全体かもしれないし、お尻かもしれません。もしかしたら唇だったり、舌だったりするかもしれません。

とにかく、身体のどこか一部にでも、それが「こっそり」であっても過剰な緊張があれば、全身のコンビネーションは壊れていきます。

「力などいれていない」と思ったとしても、もしも、本番でひどい混乱状態があるならば、やはり身体の緊張を疑ってみることは大切だと思います。 

それでは、この問題を解決するためには、どうすればよいか?

一番大切なのは、普段から筋肉に無駄な緊張が生じないように、骨格の設計にあった姿勢で、設計通りの身体の使い方で練習をすることです。

練習中に脳が記憶しているのは、メロディーや音の場所やタッチの種類だけではありません。
どの筋肉をどのように緊張させていたかもしっかりと記憶し、本番に再生します。

弾けない場所でイライラしながら練習したなら、そのイライラによって緊張させた筋肉の状態も再生します。
たとえば、難しいパッセージで唇を噛み締めたなら、その緊張さえも。
「したことの全て」が本番に再生されるのです。

それを自覚して練習するのと、そうでないのとでは、本番の心身の状態とその結果は大きく変わってきます。

本番では、身体の緊張が避けられませんが、それまでの練習で緊張の量を最小限にしていくことで、本番の筋肉の緊張を最小限におさえることは可能です。

そのような準備をしておくことで、
 身体が思うように動いて安心する →
 筋肉の緊張が緩み動きが自然になる →
 関節の動きが正常になり、自分の動きを把握できるようになる

と、よいスパイラルが生まれ、落ち着いて弾くことができるようになるのです。

もちろん、これは「本番でミスをしなくなる」ということを保証するものではありません。
緊張によってミスをしたり、思いも寄らないことが起きたりすることもあるでしょう。

しかし、身体の緊張が最小限になっていれば、その時「何が起きたか」を冷静に把握して、淡々と処理していくことができるようになるのです。

何が起きたのかわからないけれど、間違った音を出してしまったとき人はパニックに陥ります。

しかし「何がどうなっているのか」がはっきりわかっていれば、間違えても「ああ、間違えたな」と思ってただ通り過ぎることができるのです。

たとえ失敗しても、何がどうなっていたのかが自覚できていれば対策を練ることができるので、失敗は「絶望を生むもの」ではなく「学びをもたらすもの」になっていくので、心を無駄に傷つけることもなくなります。

そして、自分の管理下で全てが行われていると実感できたとき、その人の中には、自分に対しての信頼が生まれ、それが自信になっていきます。

そうやって、舞台嫌いだった人達が、「本番が楽しい」というようになっていく姿をたくさん見てきました。
実際に、はじめてのレッスンの時、あまりの緊張で脂汗が流れ、身体が硬直して指が動かなくなって8小節でストップしてしまった方が、一年とたたない内にたくさんの方々の前で演奏ができるようになった例もあります。

本番時のパニックは心の問題ではありません。
身体の使い方の問題です。 

CPメソッドのレッスンで心と身体のつながりについても学びながら、舞台を楽しめるようになっていきませんか。

「譜読み」が長持ちする

「練習したのに、三日弾かなかったら忘れてしまった。毎日練習しないといけないのに、時間がない」というような話をよく耳にします。

三日弾かなかったら「譜読み」がゼロになってしまうとしたら、それは弾き方に問題があるからです。

身体にたくさんの「無意識の力み」を抱えながら、力任せに骨格を動かしているとき、関節は設計通りの動きをしません。
関節には筋感覚のフィードバック機能の中心がありますから、関節が設計通りに動かない時、実は脳は何をどうしているのかを正しく認識していません。

つまり、聴いている音と身体の動きのつながりがはっきりと認識できていないのです。

そんな状態で練習したものが、きちんとした記憶として残るはずがありません。

「今この瞬間、指先から音が紡ぎだされているような感覚」がある状態で譜読みしたならば、三日弾かなくても譜読みがゼロになることはありません。

実際に、「きちんと身体を整えて弾くようになったら、数日弾かなくても、練習したものが消えなくなった」という報告を今までにたくさん頂いています。

CPメソッドのレッスンを受けている方々が皆おっしゃるのは、「以前より練習時間が減ったのに、以前より上手くなった」ということです。

これには、さまざまな理由がありますが、「忘れないために何回も弾く」ということをしなくてよくなったということも大きな理由の1つと思われます。

「忘れないための練習」時間を「よりよくしていくための練習」時間に変えていきませんか?

年齢を重ねることがメリットになっていく

「年齢を重ねると身体が硬くなるので、上手くなりにくい」という話をよく耳にします。

本当にそうでしょうか。

もちろん大人は、子供のように“ただ繰り返し弾く”だけでは上手になりません。
多くの人は、長い人生の間に「無意識の力み」をたくさん身につけてきており、その結果、身体が動きにくくなっているからです。
「無意識の力み」が多ければ多い程、身体が動きにくくなるだけでなく、演奏にかかわる様々な領域に不都合が起こることは、『コンフォータブルパフォーマンスメソッドとは』でご説明した通りです。

しかし、これらの不都合をCPメソッドのやり方で解決していくと、年齢を重ねた大人でも確実に演奏を向上させていくことができます。

実際に趣味でピアノを弾いている60代の方が「無意識の力み」を解放していくことで、指がどんどん動くようになり、響きのある豊かな音色を奏でられるようになり、音に対しての認識力があがりペダリンングが繊細になっていったという例もみてきています。


専門の方で「音大をでてから長いブランクをあけたら、昔のように弾けなくなった」という話もよく聴きます。

これは一体に何が起きたのでしょうか。

若い頃は、身体の構造に従わなくても物理的には弾くことができますしトラブルも出にくいので、それが無理な身体の使い方だとなかなか気づきません。
しかし年齢を重ねることで、昔のような身体の設計を無視した力任せの弾き方は、通用しなくなっていきます。筋肉の回復力もおちるので、疲労したり、痛みに繋がったり、うまく動かなかったりするのです。
これが「久しぶりに弾いたらうまく弾けなかった」ということの正体です。

こんな時、無理矢理、昔のように弾けるようにしようと躍起になってそのまま練習するのは、とても危険です。身体を壊しかねません。

力尽くが通用しなくなったら、合理的な身体の使い方を学べばよいだけのことです。
 
「無意識の力み」を解放し、身体を設計通りに使うことを学んで、身体のもつ力を最大限に引き出せば「昔のように」ではなく、「昔以上のこと」ができるようになります。

身体を設計通りに使えたら、どんなことが起きるでしょう。

身体に力みがなくなるので、指先の動きは滑らかになり、音が響くようになります。

筋感覚があがり「今、指先が何をしているのか」はっきり認識できるようになるので、指先のコントロール力もあがります。音とそれにともなう動きをはっきりと認識できるので、「譜読みをしたのに、数日たったら忘れてしまった」「暗譜のもちが悪い」ということもなくなります。
  
身体が合理的な動きをするようになるので、苦手だった音型も楽に弾けるようになります。

無駄な力みがなくなることで、身体が楽になくなり、気持ちに余裕がうまれ、音楽に集中できるようになります。


身体の在り方、使い方を学ぶことで、過去の自分を超えることができるのです。

年齢を重ねることは、内面がより深く豊かになることだと思います。
それが、演奏に活かされないのはとてももったいないことです。
身体の設計に沿った使い方を学びながら、演奏をする上での最高の環境を作っていき、その上で今までの人生経験を反映した大人の表現ができれば、昔よりきっと魅力的な演奏ができるはずです。

弾けないことを年齢のせいにして諦めるのはやめましょう。

CPメソッドのレッスンは歳を重ねることをデメリットからメリットに変えていきます。 

身体についての研究を自分なりに深めていけるようになる

『コンフォータブル パフォーマンス メソッドのレッスンとは』の中で「ピアニストの身体の常識」が「身体のエキスパートの身体の常識」と著しく違っていることについてご説明しましたが、そのような常識が食い違った状態で、解剖学の本を読んだり、ボディーワークなどのレッスンを受けに行ったりしても、意味がわからなかったり、その内容をどのように演奏に取り入れたらよいのかがわからなかったりします。
土台の考えが食い違っていたら、内容が理解できないのは当然のことです。

CPメソッドのレッスンを重ねて身体についての理解を深め、自分の身体の変化に気づける力を身につけていくと解剖学の本を読んだり、ボディーワークのレッスンを受けたとき意味が理解できるようになり、そこで学んだことを、具体的に演奏に反映できるようになります。

身体は一生つき合っていくものですから、「習う」だけではなく、「自分で理解を深める」力が身に付くということはとても重要なことです。

レッスンで改善することのできた問題

【身体】

 ・演奏中に呼吸ができない。
 ・身体の痛み、疲労。
 ・腕がだるくなるなって、曲を最後まで弾き終えることができない。
 ・脱力できない。
 ・解剖学に関わる本を色々よんだが、
  それを実際にどう演奏にいかすのかがわからない。
 ・指が浮いてしまい、鍵盤になじまない。
 ・親指のコントロールが不確か。
 ・5の指が弱い。または、傷めやすい。
 ・腕をどこで支えるのかがわからない。(「脱力」と「弾く」を両立できない)
 ・身体の感覚がない。(身体の一部、もしくは全体)
 ・弾いていると脚が緊張して痛くなる。

【メンタル】

 ・本番が怖い。
 ・特定の曲や特定のパッセージをひくと憂鬱になる。
 ・はやいパッセージが怖い
 ・本番でここぞというときに緊張してミスをする。
 ・演奏する自分の指、身体が信頼できない。

【練習】

 ・楽譜を見て弾けない。楽譜を見るとわからなくなる。
 ・練習してもミスが減らない。上達しない。
 ・練習しても、数日弾かないともとに戻ってしまう。
 ・左手の音が聴こえない。
 ・音の詳細が聴こえない。
  (弾いている音にはじき出される感じ、音に溺れてしまう感じなど)
 ・曲を堂弾いていったらよいか、イメージが作れない。
 ・「思い」を音にする方法がわからない。
 ・リズムにのれない。
 ・弾いている時に、他のことを考えてしまう。(知らないうちに弾き終わってしまう)
 ・テンポが速くなる。
 ・指遣いが定まらない。または、覚えられない。
 ・フィンガーノイズがする。
 ・自分の演奏がどうだったかを検証できない。
 ・ペダルのノイズがする。

【音の質】

 ・大きな音がでない
 ・小さな音がが響かない
 ・響きのある音がでない(音がかたい)

【特定の音型】

 ・オクターブの時、指が届かない。
 ・オクターブで音がかすれる。手が疲れる。
 ・三度がバラバラになる。
 ・和音などで上の声部もしくは、下の声部をたたせることができない。
 ・多声部の曲の声部の歌い分けができない。
 ・トレモロ、トゥリルで手が疲れる。音がかすれる。
 ・音域があがったり、さがったりして腕が身体の正面から大きくはずれると
  身体が不安定になり、音が不安定になる。
 ・スケールやアルペジオで長いっ距離をのぼったり、おりたりするとき、
  途中で間違えたり、わからなくなったりする。
 ・ベースが跳躍するときにはずれる。
 ・ポジション移動が遅い。

【指の形と姿勢】

 ・まむし指。
 ・指先がつぶれる。
 ・手首があがりすぎる。
 ・肩があがる。
 ・猫背。